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時計通も唸る、良質のヴィンテージ・ウォッチを選ぶコツ

スポーツウォッチを作るホイヤー(現タグ・ホイヤー)は、昔からケース の完成度も高かった。そのため現存するネオ・ヴィンテージにも、程度のいい個体が少なくない。このモデルは、ホイヤー初の自動巻きクロノグラフを載せたモデル。愛好家垂涎の時計だが、海外のコレクターが羨むほど、 日本には玉数がある。少し気むずかしい機械を載せているが、ムーブメント部品も揃っているため、完調に戻すのも難しくない。また色や形のバリエーションが豊富なのも、ホイヤーの魅力だ。購入する際は、針と文字盤が色あせていない個体を選ぶといいだろう。どのモデルも、針の錆はほとんどない。SSケース、自動巻き、39mm径。参考価格40万円〜


「時計好きの行き着く先はヴィンテージ」。そう語る愛好家は少なくない。確かに、種類が豊富で、作りの丁寧なヴィンテージ・ウォッチがコレクターに好まれるのは分かる。しかし、こういった時計たちが普段使いに向くかというと、残念ながら違うようだ。


多くのヴィンテージ・ウォッチは、ケースが非防水だ。つまりいくら雨に気をつけても、高温多湿の環境下ではすぐダメになってしまう。また製造からかなりの年月が経っているので、機械が摩耗している場合も多い。もちろん一度も使われていないような極上品も見かけるが、信じられないほど高価だ。


というわけで、コレクター以外の時計好きにお勧めしたいのが、ネオ・ヴィンテージ世代の時計たちだ。製造年は、1960年代後半から90年代半ばまで。この年代の時計は、ヴィンテージの作りや意匠を引き継いではいるが、適度にアップデートされている。クルマにたとえると80年代のポルシェやメルセデスのようなもので、つまりは今使えるクラシックというわけだ。


ネオ・ヴィンテージのケースは基本的に防水である。そのため高温多湿の環境で使っても時計が傷みにくい。仮に修理が必要となっても、部品の在庫はまだまだ豊富だ。コレクターでない愛好家にとっては、使えないヴィンテージよりも、使えて直せるネオ・ヴィンテージのほうが魅力的ではないだろうか。しかも幸いなことに、まだまだ玉数は多いし、ヴィンテージほど価格も高くない。


ヴィンテージの味わいと、現行品の実用性を兼ね備えたネオ・ヴィンテージ。防水ケースに入っていることもあって、今探しても外れを引くことは少ない。とはいえ20年以上前に作られた時計なので、選ぶにあたってはちょっとした予備知識がいる。


ショップに並んだユーズドウォッチは、大体が外装を新品仕上げしている。どれも極上に見えるが、実のところ、置かれてきた環境は千差万別だ。もしあなたが好みのネオ・ヴィンテージを見つけたならば、まず針をチェックするといい。ケースや文字盤が極上なのに、針が錆びていたり、メッキが落ちているような時計を見かける。こういう場合は、針がその時計本来の状態である、と考えていい。文字盤やケースは新品仕上げできるが、針だけは修理が利かないからだ。


しかも防水ケースに入っているネオ・ヴィンテージで、針のコンディションだけが悪い場合は、防水機能が失われたまま使われてきたと考えてよさそうだ。こういう個体はまったくお勧めしない。逆に針まで極上な時計を見かけたならば、メーカーで修理を受けて針を交換したか、歴代オーナーが丁寧に扱ってきた時計、と考えていい。こういう時計ならば、維持費も少なく、末永く楽しめるはずである。



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